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洗剤に入っているアルカリ剤ってそもそも何?

アルカリ,アルカリ剤

界面活性剤とは異なる、汚れを落とす成分

洗濯用合成洗剤の成分表を見ると、

界面活性剤とは別に様々な成分が入っているのが分かるのですが、

その中でも多くの製品パッケージに「アルカリ剤」というワードをよく目にします。

この「アルカリ剤」とは何のことでしょうか?

界面活性剤とは何が違うのでしょうか?

今回は アルカリ剤の成り立ちや、その役割について触れてみます。

 

 

アルカリとは?

アルカリ,灰

語源

「アルカリ」というワードは、

アラビア語で植物の灰を意味する 「al qily」 に由来する、と言われています。

現在の一般的な定義

現在では、その水溶液が、

強い塩基性(アルカリ性)を示す化合物の総称として使われています。

メジャーな化合物の例としては、

水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物 や、

炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩があります。

これらが溶けた水はpH値が7以上で、

皆さんが小学生の頃、理科の授業でやったことがきっとある、

リトマス紙のテストでは、青色に変わります。

古代のアルカリ

古代においては、植物の灰が洗浄剤として使われていました。

植物の灰には炭酸カリウムや炭酸ナトリウムが豊富に含まれていて、

それを水に溶かすとアルカリ性の溶液になるからです。

灰が溶けた水を使うと油汚れやタンパク質汚れを落とせるため、

灰の水溶液(アルカリ性)が洗浄時に活用されていました。

石けんの原料

古代ローマ時代の初期に、サポーの丘の神殿で、

生贄の羊を焼いて神にお供えをしていたときに、

滴り落ちた羊の脂と木の灰(アルカリ)が混ざり合ったものが、

石けんの始まりといわれています。

現在でも石けん製造の根本は変わりなく、

動植物の油脂と、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ剤を

反応させることで石けんが作られています。

 

 

「アルカリ」と「酸」の違いとは?

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子供の頃にリトマス紙でテストした時に

青くなればアルカリ性、赤くなれば酸性となったことを薄っすらと記憶しているように、

なんとなく酸性の対極にアルカリ性があることを知っています。

ここでアルカリと酸の違いについて触れてみます。

アルカリ性と酸性は、水中の「水素イオン」と「水酸イオン」と呼ばれる、

2種類のイオンのバランスのことを表しています。

水素イオンは、H+ という記号で、水酸イオンは、OH- という記号で表されます。

水の中の水素イオンと水酸イオンは一定のバランスを保っています。

水素イオンが多くなると水酸イオンが少なくなり、

逆に、水素イオンが少なくなると水酸イオンが多くなります。

こんな具合でイオンがバランスしており、バランス状態によって水の性質が変わります。


水素イオンが多い時

水素イオンの割合が多い時は、その水は酸性になります。

水酸イオンが多い時

水酸イオンの割合が多い時は、その水はアルカリ性になります。

割合が同じの時

水素イオンと水酸イオンの割合が等しい時は、その水は中性です。


アルカリが汚れ落しに有効なのは、

水の中の水酸イオンの量が多くなることに起因しています。

次に、水酸イオンの影響と洗浄効果について触れてみます。

 

 

洗浄力と水酸イオンの関係

洗浄力と水酸イオンの関係に触れるために、

先ずはpHというアルカリ性の度合いを示す記号について纏めます。

水素イオン指数:pH

水の中の水酸イオンと水素イオンの割合によって、

水質がアルカリ性になったり酸性になったりします。

水の酸性・アルカリ性の程度を水素イオン指数で表し、

pH(ペーハー)という記号が使われています。

水溶液のpHが7より小さいときは酸性、

7より大きいときはアルカリ性、7付近のときは中性です。

pHが小さいほど水素イオン濃度は高くなります。

pHが1減少すると水素イオン濃度は10倍になり、

逆に1増加すると水素イオン濃度は10分の1になります。

pHが中性の7よりも小さくなればなるほど酸性が強くなります。

一方で、水溶液の水素イオン濃度が10分の1になると、水酸イオンの濃度は10倍になるので、

pHが中性の7よりも大きくなればなるほどアルカリ性が強くなります。

弱アルカリ性

pHが8〜11の時が「弱アルカリ性」と呼ばれています。

強アルカリ性

pHが11よりも大きい時が「強アルカリ性」と呼ばれています。

 

反発力を発生させる弱アルカリ性

水の中の水酸イオンが「やや多い状態」になると、

水質は「弱アルカリ性」になります。

例えば弱アルカリ性の洗剤を洗濯機の中に入れると、

洗濯物を攪拌する水は弱アルカリ性になります。

この状態になると、汚れや衣服の表面にマイナスの電気力が発生します。

マイナスの電気同士は反発し合うので、

汚れ同士や、汚れと衣服の間に、反発力が発生します。

この反発力によって汚れが衣服から剥がれやすくなったり、

汚れが衣服に再付着することを防いでくれたりします。

有機物を分解する強アルカリ性

水の中の水酸イオンが「とても多い状態」になると、

水質は「強アルカリ性」になります。

この状態になると、タンパク質を化学的に分解する作用が発生します。

さらに、油脂や脂肪分を石けんに変化させてしまう作用も発生します。

 

 

洗濯用洗剤の「助剤」として使われるアルカリ剤

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家庭用品品質表示法によって洗濯用洗剤は規制されているのですが、

この法律によって、洗濯用の合成洗剤は以下のように定義されています。


界面活性剤又は界面活性剤及び洗浄補助剤その他の添加剤から成り、

その主たる洗浄作用が純石けん分以外の界面活性剤の界面活性作用によるもの


また、洗濯用の石けん(粉石けん)は、以下のように定義されています。


界面活性剤又は界面活性剤及び洗浄補助剤その他の添加剤から成り、

その主たる洗浄の作用が純石けん分の界面活性作用によるもの


合成洗剤と粉石けんのどちらも、

界面活性剤が主成分であることが前提となっていて、

界面活性剤があくまで主役です。

実際に、界面活性剤には浸透作用・乳化作用・分散作用という、

とても優れた洗浄力があるためです。

(※界面活性剤の詳細はこちら:2021.03.2 スタッフブログ)

ただし、界面活性剤だけでは 洗浄力が弱くなったり邪魔されたりする場合があり、

それを補うために、アルカリ剤が合成洗剤や粉石けんを助ける、

文字とおり「助剤」としてよく使われています。

衣服の汚れは酸性

衣類の汚れなどは大抵が酸性なので洗濯物の汚れが酷いと、

洗濯機の中の水は酸性になってしまいます。

洗濯用の合成洗剤や粉石けんの界面活性剤は弱アルカリ性なのですが、

酸性の水によって中和されてしまうと界面活性作用が弱くなり洗浄力が落ちてしまいます。

このような洗濯物の中和作用に負けないように、

界面活性剤をサポートする役割・助剤としてアルカリ剤が配合されています。

粉石けんの節約にも効く

純石けん分だけで造られた「無添剤の石けん」は、

化学物質過敏症などの疾患にお悩みの方々にとっては有用な洗濯用洗剤です。

とても安全で 安心して使いやすいのですが、

無添剤石けんだけで洗濯すると水が酸性になりやすく、

さらに、水道水のカルシウムやマグネシウムなどと反応して

いわゆる「石鹸カス」もできやすくなって洗剤ロスが発生します。

これらに対抗して多めの量の無添加石けんを使えば、

家計にとっても自然環境にとっても負荷がかかります。

そこで無添加石けんの助剤としてセスキ炭酸ソーダなどの

アルカリ剤を助剤として活用すれば、

無添剤石けんの弱点を補えて効率よく洗濯することができます。

 

 

台所用洗浄剤として活躍するアルカリ剤

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台所のひどい油汚れには強アルカリ性の洗浄剤が活躍してくれます。

強アルカリ性の洗浄剤(アルカリ剤)には、

「有機物を分解する作用」と「油脂を石けんに変える作用」、

という2つの働きが備わっています。

これらがキッチンやレンジフードのお掃除にとても有効です。

飲食物の食べこぼしは有機物であるタンパク質の汚れなので、

アルカリ剤によって汚れが分解されます。

お掃除中に石けんが生まれる

キッチンの油汚れをアルカリ剤を使って洗浄していると、

汚れの油脂とアルカリ剤が反応して

その油汚れを「一種の石けん」に変身させてしまいます。

この洗浄中に生み出された一種の石けんが、

今度は他の汚れを洗浄することをサポートしてくれます。

まるで一石二鳥のような効果をアルカリ剤が発揮してくれます。

目や肌の保護が肝心

強アルカリ性の洗浄剤を使うときには注意が必要です。

人の目や肌も有機物であり、脂やタンパク質でできているからです。

強アルカリ性の洗浄剤は上述したように、

タンパク質の分解・油脂との反応という強い作用があるので、

直接に目や肌に触れてしまうと、身体を傷めてしまう場合があります。

pH値が11を超える強アルカリ性の洗浄剤を使用するときには、

保護メガネやゴーグル・手袋を着用して安全性を保つことが大切です。

 

 

まとめ

アルカリ剤とは、アルカリ性を帯びた水に溶ける洗浄剤の一種です。

洗濯では洗剤の弱点を補ってくれたり、

キッチンでは油汚れのお掃除に役立ちます。

粉石けんと組み合わせたり、目や肌を保護しながら使用したりと、

それぞれのシーンにおける特徴を把握しながら活用して下さい。

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