薬用せっけんミューズは石けん?それとも合成洗剤?
薬用せっけんミューズとは?
殺菌作用があることで有名な薬用せっけんミューズ、
みなさんは使ったことはありますか?
事業譲渡が繰り返されて製造元と発売元が過去に何度か変更されています。
2008年までP&Gがミューズ事業を保持していたのですが、
現在はレキットベンキーザー・ジャパン(英国の日用品・医薬品メーカー)
によって運営されています。
ミューズは発売されて半世紀以上経過しています。
歴史があり知名度があって人々に親しまれています。
ブランドサイトでは「幅広いバイ菌に効く!薬用せっけんミューズ」
というキャッチコピーが見られます。
殺菌効果を大きくアピールしているのですが、
その殺菌効果の理屈を調べると不思議な情報に出会いました。
実体は化学合成された界面活性剤
液体タイプのミューズを店頭で手に取って見ました。
製品裏面の表記欄を見れば含有している成分がわかります。
そこには「ラウリル硫酸アンモニウム」や
「POEラウリルエーテル硫酸アンモニウム液」と書いてあります。
POEはポリオキシエチレンの略であり化学合成された界面活性剤であることが分かります。
これは台所用合成洗剤(石けんではない)でよく使われている成分です。
薬用せっけんミューズ液体ハンドソープの成分
成分1 | 成分2 |
---|---|
サリチル酸 | 塩化トリメチルアンモニオヒドロキシプロピルヒドロキシエチルセルロース |
POEラウリルエーテル硫酸アンモニウム液 | メタクリル酸・スチレン共重エマルション |
ラウリル硫酸アンモニウム | PEG-12 |
エデト酸塩 | メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液 |
ヤシ油脂肪酸エタノールアミド | 無水クエン酸 |
ヤシ油脂肪酸 | クエン酸Na |
濃グリセリン | 精製水 |
PG | 香料 |
メチルパラベン | 黄203 |
プロピルパラベン |
本物の石けんではない
動植物の油脂を原料として造られる、
脂肪酸ナトリウムまたは脂肪酸カリウムが本物の石けんであり、
製品ラベルには「石けん素地」や「カリ石けん素地」と表示されます。
家庭用品品質表示法という法律においては、
脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムという界面活性剤を純石けん分と呼び、
石けん=純石けん分100%(純石けん分以外の界面活性剤0%)と定義しています。
一方で薬用せっけんミューズには、
純石けん分ではない化学合成された界面活性剤が入っています。
製品名に「せっけん」というワードを使っているので、
「ミューズは石けんだよね」と誤解しがちですが本当の「石けん」ではありません。
製品名として使われている「せっけん」は本来の石けんの意味ではなく、
「洗剤の一種」というだけの意味で使われていそうです。
また製品名に併せて使われている「薬用」は「医薬部外品」扱いを意味しているので、
「薬用せっけんミューズ」→「医薬部外品の洗剤ミューズ」
という解釈をするとストンと腹落ちします。
殺菌効果を得るためには?
薬用せっけんミューズにはサリチル酸という殺菌剤が配合されています。
このサリチル酸を依りしろとして「幅広いバイ菌に効く!」や、
「毎日のミューズの手洗いで、家族を守る」というコピーをうたっています。
殺菌剤が配合された洗剤を使っても短時間でササっと洗っただけでは、
皮膚の常在菌(皮膚に常に存在する細菌)は良しとして、
通過菌も洗い残って手指に残留してしまうといわれています。
手指を清潔に保つという目的だけであれば殺菌剤配合の洗剤で洗うかどうかよりも、
その洗い方や洗浄時間に気を配る方が効果的です。
手肌の汚れや雑菌を洗い流すだけなら普通の石けんでも十分に効果があります。
敏感肌であったり化学物質によるアレルギー性疾患を懸念されている方は、
合成界面活性剤が入っていない本物の石けんを活用しつつ、
誰もが小学生の頃に学んだ手洗いの手順を思い出して、
基本通りに時間をかけてしっかりと手洗いすれば清潔さを保てます。
体質によってはアレルギー性疾患のリスクも
もう一度 薬用せっけんミューズの表示欄から成分を確かめると、
エデト酸塩や黄203という合成着色料も含有していることが分かります。
これらは使用する方々の体質によりますが、
場合によっては皮膚障害やアレルギーなどの疾患に至るリスクがあります。
オススメのハンドソープ
(※ミヨシ石鹸株式会社HPより引用)
ミヨシ石鹸株式会社の『無添加 せっけん泡のハンドソープ』をご存知ですか?
このハンドソープの成分はカリ石ケン素地と水だけです。
カリ石ケン素地なので本物の石けんです。
さらに無添加にこだわって香料・着色料・防腐剤は何も入っていません。
そのため刺激性が少なくて肌が弱い方にとってはより安全かもしれません。
化学合成された界面活性剤や着色料が入っている洗剤よりも、
香料や着色料・防腐剤は無添加であり、
本物の石けん(カリ石ケン素地)で造られたハンドソープを活用しながら、
しっかりと時間をかけて丁寧に手洗いすると、
お肌への刺激を軽減しつつ汚れやバイ菌を洗い流せて安全です。