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合成洗剤っていったい何?

合成洗剤,合成界面活性剤

合成洗剤とは?

洗剤といえば、石けんと合成洗剤の2つが挙げられます。

どちらも洗濯や食器洗い、そしてお掃除全般に欠かせないものですが、

合成洗剤とは何か? 石けんと合成洗剤の違いとは?と問われると、

答えることがなかなか難しいものです。

「石けん」については過日の記事にしていたので、

今回は「合成洗剤」について触れてみます。

スタッフブログ:エコ洗剤の代表格「石けん」とは?

スタッフブログ:固形石鹸と液体石鹸の違いとは?

 

洗剤とは?

洗浄することを目的として、

界面活性剤が主成分として入っている製品が「洗剤」です。

石けんと合成洗剤のどちらにも界面活性剤が入っています。

また、どちらも洗浄することを目的としているので、

石けんと合成洗剤はどちらも「洗剤」です。

 

石けんと異なる界面活性剤で造られている

過日のBlog投稿にて触れた通りですが、

植物や動物の油脂に、

水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどを反応させると、

脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムという界面活性剤ができます。

これらは「純石けん分」と呼ばれる石けんの主成分であり、

純石けん分100%で作られた洗剤が「石けん」と呼ばれています。

一方で、合成洗剤は何でしょうか?

実は、「純石けん分」以外の界面活性剤が入っている洗剤を、

一般的に合成洗剤と呼んでいます。

 

家庭用品品質表示法における定義

家庭用品品質表示法が1962年に制定されました。

現在、消費者庁がこの法律を管轄しており、

・家庭用品の品質に関する表示の適正化

・消費者の利益を保護すること

という2つを目的としています。

 

この法律によって消費者を守るために製品ラベルに、

品名・用途・液性・成分・正味量

使用量の目安・使用上の注意などを

表示することが義務化されています。

またこの法律に基づく雑貨工業品品質表示規程によって、

石けんと合成洗剤の区分が以下のように定義されています。

 

石けんの定義

定義界面活性剤又は界面活性剤及び洗浄補助剤その他の添加剤から成り、

その主たる洗浄の作用が純石けん分の界面活性作用によるもの

洗濯用の石けんについては、

純石けん分の含有重量が界面活性剤の総含有重量の70%以上のものに限り、

台所用の石けんについては60%以上のものに限る。

消費者庁HP参照:洗濯用又は台所用の石けんの定義

 

合成洗剤の定義

界面活性剤又は界面活性剤及び洗浄補助剤その他の添加剤から成り、

その主たる洗浄作用が純石けん分以外の界面活性剤の界面活性作用によるもの

洗濯用は純石けん分以外の界面活性剤が

界面活性剤の総含有重量の30%を超えるものに限り、

台所用は40%を超えるものに限る。

消費者庁HP参照:合成洗剤の定義

 

家庭用品品質表示法による石けん・複合石けん・合成洗剤の定義

品名純石けん分の
含有重量
純石けん分以外の
界面活性剤の
含有重量
洗濯用石けん100%含有してはいけない
洗濯用複合石けん70%以上30%未満
洗濯用合成洗剤70%未満30%以上
台所用石けん100%含有してはいけない
台所用複合石けん60%以上40%未満
台所用合成洗剤60%未満40%以上

 

合成洗剤と石けんを簡単に見分ける方法

合成洗剤,合成界面活性剤

家庭用品品質表示法のおかげで製品の品名表示や成分表示を見ると、

手に取った製品が合成洗剤と石けんのどちらであるか が簡単に分かります。

石けんの場合は「石けん」と品名表記があり、

合成洗剤の場合は品名に「合成洗剤」と品名表記があります。

また、合成洗剤と石けんが合わさっていれば「複合石けん」と品名表記があります。

これで判別は簡単です。

さらに成分表示を見れば、

石けんの場合は純石けん分(脂肪酸ナトリウムまたは脂肪酸カリウム)と成分表記があります。

合成洗剤の場合は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸や、

ポリ (オキシエチレン)=アルキルエーテルなどの、

純石けん分でない合成された界面活性剤の成分表記があります。

 

戦中のドイツで開発された合成洗剤

第一次世界大戦中にドイツで最初の合成界面活性剤である、

アルキル硫酸エステルナトリウムが開発されました。

第二次世界大戦中には石けんの原料である動植物の油脂の不足を背景に、

石油を原料にしたアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムという界面活性剤が開発されました。

 

合成洗剤の普及

戦後になるとアメリカでアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムに、

リン塩酸を加えた合成洗剤が発売されました。

日本ではアメリカからアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムを輸入して

合成洗剤の製造が1950年に開始されました。

石油生産増大や家電洗濯機の普及を背景に急速に合成洗剤が広まって、

1963年になると日本における合成洗剤の使用量が石けんの使用量を上回りました。

 

合成洗剤の社会問題化

合成洗剤,赤潮

1970年代になると合成洗剤による、

人の手荒れや河川汚染の事象が見られるようになり、

様々な環境問題や健康被害が取りざたされて社会問題化しました。

その頃から合成洗剤を止めて石けん使用を訴える市民運動が盛んになりました。

1977年の琵琶湖での赤潮異常発生が契機になって、

滋賀県内では石鹸の使用推進運動が盛り上がり、

1979年にいわゆる琵琶湖条例、

(滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例)が制定されました。

この条例には工場・事業所に窒素やりんの排水基準を適用しただけでなく、

りんを含む合成洗剤の使用・販売の禁止が盛りこまれています。

 

合成界面活性剤のここに注意

1999年に特定化学物質の環境への排出量を、

把握等及び管理の改善の促進に関する法律が制定されました。

この法律によって、PRTR制度(有害化学物質排出・移動量届出制度)が施工されました。

このPRTR制度において、

人の健康や生態系に有害なおそれがある化学物質化学物質として

指定されている合成洗剤(石けん以外の界面活性剤)の成分があります。

 

PRTR制度にて指定されている合成界面活性剤

項番物質名称用途
1直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及び その塩洗濯用・台所用合成洗剤
2N,N-ジメチルドデシルアミン=N-オキシド/アルキルアミンオキシド台所用合成洗剤
32-スルホヘキサデカン酸-1-メチルエステルナトリウム酸/α-スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム洗濯用合成洗剤
4ドデシル硫酸ナトリウム/ラウリル硫酸ナトリウム洗濯用・台所用合成洗剤
5ヘキサデシルトリメチルアンモニウム=クロリド/塩化アルキルトリメチルアンモニウム柔軟剤
6ポリ (オキシエチレン)=アルキルエーテル洗濯用・台所用・住居用合成洗剤
7ポリ (オキシエチレン)=オクチルフェニルエーテル業務用合成洗剤
8ポリ (オキシエチレン)=ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム洗濯用・台所用・住居用合成洗剤
9ポリ (オキシエチレン)=ノニルフェニルエーテル業務用合成洗剤

 

合成洗剤は洗浄力に優れていますが、

一方で手荒れやかぶれの原因となる場合があります。

皮膚から吸収された合成洗剤が人体にどのように影響するのか研究が進んでおらず、

正確に断定することはできないのですが、

合成洗剤は元々自然界に存在していない化学合成された成分であり、

その毒性の分解や排出に時間がかかったり体調への影響が出るおそれがあります。

 

また合成洗剤の大半は河川や海用に流れても微生物のよる生分解が進まず、

海底や川底に堆積して毒性が残り続けて環境汚染に至ります。

一方で、純石けん(脂肪酸ナトリウム・脂肪酸カリウム)の場合は

水環境に流れると水中のカルシウムと結びついて、

カルシウム石鹸(脂肪酸カルシウム)に変化します。

このカルシウム石鹸は水中の微生物によって分解されたり、

小魚によって食べられたりして消滅していきます。

そのため自然環境への影響はきわめて少ないです。

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