洗濯用石けんのチェック方法
商品パッケージの見方
合成洗剤は洗浄成分に合成界面活性剤を使っています。
合成界面活性剤以外にも酵素や蛍光増白剤などの原料が配合されているのが特徴です。
日本で代表的な洗濯用の合成洗剤しては
花王「アタック」、LION「トップ」、P&G「ボールド」などがあります。
全部有名で多くの人々にとって馴染みあって、
洗浄力や洗濯物の仕上がりの良さから評価が高い商品群です。
合成洗剤であるからといって決して悪いものではないのですが、
特定の化学物質に反応してしまう体質の方にとっては、
身体に合わない場合があって、
代替として洗濯用石けんを求められることがあります。
石けんと合成洗剤は商品の見た目だけではなかなか区別ができません。
洗濯用石けんを購入するときにはどこを見て選べばよいのでしょうか?
今回は洗濯用石けんのチェック方法について触れていきます。
家庭用品品質表示法に基づく表示方法
家庭で使う洗剤の中には2種類あります。
1つは人の体を洗うための洗剤です。
これは厚生労働省の管轄で「薬機法(旧:薬事法)」という法律によって規制されます。
もう1つは衣類や食器、住居などを洗うための洗剤です。
これは消費者庁の管轄で「家庭用品品質表示法」という法律によって
表示方法が定められています。
したがって洗濯用石けんは家庭用品品質表示法に基づいて、
商品パッケージに情報が表示されています。
家庭用品品質表示法によって洗濯用(台所用や住宅用も)の洗浄剤は、
品名・用途・液性・成分・正味量・使用上の注意などが表示されています。
石けんを選ぶときに注目したいのは「品名」と「成分」
実際の洗濯用石けんのパッケージ裏にある表示を見てみましょう。
(※「ミヨシのせっけん」という商品をサンプルにチェックします)
品名:洗濯用石けん
用途:綿・麻・合成繊維用
液性:弱アルカリ性
成分:純石けん分(60% 脂肪酸ナトリウム)、
アルカリ剤(炭酸塩)
「品名」をチェック
品名には「洗濯用石けん」と表記されています。
これは洗浄成分である界面活性剤が全て純石けん分(石けん)であることを表しています。
洗濯用石けん以外の品名としては、
洗濯用複合石鹸と洗濯用合成洗剤の2つがあります。
洗濯用複合石鹸は洗浄成分に石けんと合成界面活性剤の両方が使われています。
洗濯用合成洗剤は洗浄成分のほとんどが合成界面活性剤です。
これらは家庭用品品質表示法によって以下の通りに規定されています。
品名 | 界面活性剤のうち純石けん分の割合 | 石けん以外の界面活性剤の割合 | |
---|---|---|---|
洗 濯 用 |
石けん | 100% | 0% |
複合石けん | 70%以上100%未満 | 30%未満 | |
合成洗剤 | 70%未満 | 30%以上 |
「成分」をチェック
次に「成分」のところをチェックしてみます。
純石けん分と書いてあります。
その後に続く「脂肪酸ナトリウム」というワードによって、
どんな種類の純石けん分が使われているかが分かります。
動植物の油脂に水酸化ナトリウム(塩から製造)、
または水酸化カリウムのどちらかを混ぜて反応させると、
純石けん分である脂肪酸ナトリウムまたは脂肪酸カリウムが造られるのですが、
このパッケージの表示から水酸化ナトリウムを使用したことが分かります。
純石けん分以外には「アルカリ剤(炭酸塩)」というワードがあります。
これは石けんの働きを助ける助剤として加えられた成分です。
炭酸塩は危険物ではありませんし毒性もありません。
炭酸塩は植物の燃えカスや海藻の主成分でもあり、
昔から植物の灰を水に溶いた灰汁(あく)を洗浄剤として使われていました。
特に危険性はないので炭酸塩入りの石けんは洗浄力が強くて衣類洗いにはぴったりです。
炭酸塩以外にはケイ酸塩というアルカリ助剤が配合されることが多いです。
ケイ酸塩は岩石に含まれる鉱物の一種です。
ケイ酸塩や炭酸塩は生分解が終わっている無機物であり、
そのまま自然に還るもので特に危険性はありません。
ケイ酸塩配合の固形石鹸は油汚れに強いのが特長で、
ワイシャツの襟や袖まわりの黄ばんだ脂などの頑固汚れにぴったりです。
炭酸塩やケイ酸塩以外の成分
もしも助剤として炭酸塩やケイ酸塩以外の
成分名が表記されていたら注意が必要です。
界面活性剤以外の助剤や添加剤の表示方法は、
家庭用品品質表示法によって次のように定められています。
含有率にかかわらず表示される成分
蛍光増白剤、酵素、漂白剤
含有率10%以上の成分
物質名で表示(例:炭酸塩、ケイ酸塩、など)
含有率1%以上10%未満の成分
機能名で表示(例:水軟化剤、再汚染防止剤など)
(ただしリン酸塩だけは物質名で表示される)
含有率1%未満の成分
表示されない
炭酸塩やケイ酸塩以外に蛍光増白剤や漂白剤が入っていて、
それらがもしも使用した方の体質や肌に合わないと、
よくない反応が出る場合があるので注意が必要です。
表示されない含有率1%未満の成分も要注意
家庭用品品質表示法による規定によって、
含有率1%未満の成分は表示しなくてOKとなっています。
つまり香料や色素などが1%未満で入っていたとしても
香料や色素の成分名が表示されることはありません。
これも使う方の体質によるのですが身体に合わない方にとっては、
「余計な成分は入っていないのに、どうして?」と感じることがあるかもしれません。
表示されないとパッケージだけでは注意の術がないので、
amazonなどのwebサイトで商品口コミを見て、
実際の使用者の感想をチェックしていくことが良さそうです。
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