リビングルームに設置された天井埋込型エアコン

連日に渡ってエアコンクリーニング 作業と対峙しています。

昨日は豊島区の大規模マンションにお住いのお客様からのご依頼で、

リビングルームのエアコン洗浄を実施しました。

作業前に使用感やお困りのことをヒアリングすると、

2年前に別の業者さんに依頼してエアコンクリーニング を実施したが、

匂いや汚れが目立つ状態で困っている、というコメントを吐露されました。

冷房を使用するとペットのワンちゃんがリビングルールから退避するかのように

別の部屋へ移動する状態で、落ち着いてリビングルームで過ごすことがままならない様子です。

速やかな解決が求められています。

洗浄前の準備

対象となるエアコンはダイキン製エアコン（C50FCV）です。

これは天井埋込タイプで、リビング・ダイニングルームに設置されています。

エアコンの直下にはコレクションボードが備え付けられ、

大切にしているティーカップやグラスが収納されています。

ホコリや洗浄水の飛沫で汚すわけにはいきません。

分解・洗浄作業に移る前に先ずはビニールで養生します。

次に、エアコンの外装パネルやルーバーなどを分解する作業を始めるのですが、

その前に 事故防止のために当該エアコンの電源をブレーカー（配電盤）にてカットします。

ブレーカー（配電盤）は玄関のシューズ収納ルームや、

洗面・脱衣ルームの壁面に設置されていることが多いです。

今回のお部屋では玄関のシューズ収納ルームの壁面上部にありました。

200Vの電源を確認して「OFF」にします。

エアコンを分解していくと汚れが露わに

開閉パネルや外装カバーを取り外すと、

暗いグレー色の水受けが待ち構えています。

この水受け（ドレインパン／Drain Pan）が結露を受け止めています。

冷房の使用は数週前から始まっている個体なので、

既にドレインパンには水が溜まっており、

零さないように慎重に取り外していきます。

ドレインパンを分離させると、

隠れていた熱交換器（アルミフィン）やシロッコファンが露出します。

これで洗浄できる状態なのですが、まだ電装基盤が残っています。

この電装基盤が洗浄水で濡れてしまうと故障してしまう場合があります。

電装基盤の養生は欠かせないのですが、

この機種では基盤を分離させることで故障を防止します。

シロッコファンやその周囲にはカビ汚れの固形物がびっしりと固着していました。

この状態だとファンが回転して送風する度に、

風に乗ってカビや雑菌の胞子が部屋中に放射されているはずです。

カビや雑菌がアレルゲンとなる体質の方にとっては辛い環境になります。

もしかしたらペットのワンちゃんも そうなのかもしれません。

水受け（ドレインパン／Drain Pan）に結露の水が一定量溜まったら、

水位を計測しているセンサーが感知して、

ポンプで水を吸い上げて排水する仕組みになっているのですが、

冷房を使用し続ける 夏季においては、

ドレインパンには水が常時溜まっているため、

カビや雑菌にとっては絶好の生育環境となってしまいます。

ドレインパンを取り外すとドロドロと汚れた水が溜まっている様子が分かります。

洗浄してカビ汚れを一掃

今回は浴室をお借りして、

分解して取り外した部品群を一つづつ洗浄していきます。

また天井に設置されたままにしているシロッコファンや熱交換器を洗浄するために、

筐体の周囲を養生して作業に備えます。

クリーニング には安全な洗剤・洗浄剤を使用しています。

液体状の石鹸とセスキ炭酸ソーダを基本としているのですが、

今回の個体は汚れが重いので、

洗浄回数を通常よりも多くすることと、

さらに洗浄力を高める助剤として炭酸ナトリウムを追加して対応します。

洗剤・洗浄剤を塗布してから高圧洗浄機を駆動してクリーニングしていくと、

回収した洗浄水をカビ汚れのために黒く染まっていきます。

作業前後の比較

分解した直後は酷い汚れが固着しています。

一方で、クリーニング作業すると汚れがしっかりを除去されて

清潔で綺麗な状態に良化します。

作業前

洗浄後

作業前

洗浄後

家庭用の天井埋込型エアコンの作業時間は 約2時間ですが、

今回は 重度の汚れが影響して3時間弱かかりました。

ドレインパンにはスチールの錆が原因で数カ所がオレンジ色に染色しているのですが、

これ以外の汚れを除去できて綺麗に仕上がっています。

作業前にヒアリングした内容、

「2年前に別の業者さんに依頼してエアコンクリーニング を実施」ということを勘案すると、

汚れの程度が「異常」に感じられます。

2年前にしっかりと洗浄していれば ここまで重度になることは稀です。

真相は分からないのですが、

もしかしたら前回作業が不十分だったのかもしれません。

「他山の石」と捉えて、

「汚れを逃さず丁寧にクリーニングすること」の大切さを再認識した次第です。