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ニット衣類をアルカリ性洗剤で洗ったら、どうなるの?

 

ニットを普通の洗濯用洗剤で洗ったら、どうなってしまう?

ニット衣類を洗濯する時にはとても注意が必要です。

迂闊に洗濯してしまった結果、お気に入りのセーターが縮んでしまった!

という残念な事態を多くの人が1度は経験されたことがあると思います。

 

ニット衣類を洗う時には、中性洗剤を用いることが定石と言われています。

実際にスーパーやドラッグストアの売り場では、

ニット用洗剤としてライオンの「アクロン」や花王の「エマール」などの商品群が

たくさん陳列されており、これらの商品の液性は「中性」です。

 

普通の洗濯用洗剤ではなく、どうしてニットには中性洗剤が適しているのか?

中性洗剤で洗わないと、何が問題で、ニットにどんなダメージが起きるのか?

今回はこの辺りのポイントについて触れてみます。

 

 

ニット繊維は水分を吸収すると傷みやすくなる

先ず前提として、ここで挙げるニット衣類とは、

羊毛などの獣毛繊維を用いた衣類のことを指しています。

アクリルなどの合成繊維を用いた衣類もありますが、

中性洗剤が必須となるのは羊毛などの獣毛繊維で作られた衣類です。

この前提で考察を進めていきます。

 

獣毛繊維はタンパク質が主成分となっている繊維です。

このタンパク質はケラチンと呼ばれています。

ケラチンで形成された獣毛繊維の表面には、

キューティクルと呼ばれる硬い細胞で覆われています。

キューティクルは鱗(うろこ)のように重なって繊維の表面を覆っており、

その形状(見た目)からスケールとも呼ばれています。

(※鱗(うろこ)は英語で「scale」と訳し、

その発音からscale→日本語として「スケール」へ)

 

縮みの原因はキューティクルの動き

獣毛繊維は吸水性の高い柔らかなタンパク質で形成されているため、

洗濯すれば 繊維の内部に水分を吸収しやすくて、

その水分によって膨らんでしまいます。

でも表面を覆っているキューティクルをとても硬くて、

繊維が内部に水を吸ってしまっても、

キューティクルが硬い壁のように塞いでしまい、

膨張しようとするタンパク質と、

外周を囲む硬いキューティクルが押し合う状態になります。

この状態が続くと、水を吸って膨らんだ繊維内部によって、

外側のキューティクルを張り詰めて押し出されるようになり、

最後にはキューティクルのうろこ状のスケールが逆立ってきます。

このようにスケールが立ち上がってしまうと、

繊維同士が絡み合ってしまって、その結果衣類が縮んでしまいます。

 

 

アルカリ性洗剤で洗ってはいけない理由

中性洗剤

上述したように羊毛などの獣毛繊維はタンパク質で形成されています。

実は、タンパク質はアルカリによって水を吸いやすくなる、という特徴があります。

もしも中性洗剤ではなくて、

普通の洗濯用洗剤(弱アルカリ性)で洗ってしまうと、

繊維表面のキューティクルのスケールの立ち上がりがもっと激しくなってしまい、

繊維と繊維の絡み合いも もっと酷い状態になってしまいます。

これが アルカリ性洗剤で洗ってはいけない理由です。

中性洗剤であれば、キューティクルのスケールの立ち上がりが抑制されて、

繊維と繊維の絡み合いも緩和できます。

このような理由から、セーターなどのニット衣類には中性洗剤が適しています。

 

 

洗濯の物理力にも注意が必要

洗濯,セーター,ニット

ただし、普通の洗濯用洗剤(弱アルカリ性)だけが悪影響を与えている訳ではありません。

ニット繊維に対して外部からの物理力にも注意が必要です。

 

繊維への強い当たり・強い攪拌も悪影響になる

繊維表面のキューティクルのスケール(うろこ状)は一定方向に並んでいるので、

繊維と繊維が擦れる時には、

繊維はスケールが絡まない方向に回避して自然と移動します。

逆にスケールの並びと反対の方向には スケールが引っ掛かって移動できません。

(スケールの並びの影響を受けて一定方向にしか移動できない)

洗濯機でニットを洗うと、

洗濯槽内の水の攪拌によって繊維の汚れが落ちていきますが、

攪拌力が強すぎると繊維と繊維が擦れた時に、

スケールによる引っ掛かりが生じてしまって繊維が絡み、

その攪拌状態が続くことで繊維はどんどん絡み合っていきます。

洗濯機を使用してニット衣類を洗う時には、

中性洗剤を活用しつつ、

洗濯機の通常モードではなく、

なるべくニット衣類用のやさしい攪拌モードを使用したり、

そういったモード選択が困難な洗濯機であれば、

攪拌時間や脱水時間を短めにして、

衣類への物理力を穏やかにする工夫が大切になりそうです。

またニット商品によっては「手洗い」を推奨しているものもあります。

この種のニット製品にとっては洗濯機による水の攪拌では物理力が強過ぎるので、

やさしい手洗いによる洗浄が適しています。

 

 

まとめ

 

・羊毛などのニット繊維は水を吸収するとキューティクルが立ち上がる

・キューティクル の立ち上がりは繊維の絡み合い・衣類の縮みの原因になる

・アルカリ性洗剤で洗うとキューティクル の立ち上がりが激しくなる

・繊維への過度な物理力も繊維の絡み合い・衣類の縮みの原因になる

 

このようなニット衣類がダメージを受ける背景や原因を意識しつつ、

次のような対策を講じていくとお気に入りのニット衣類を長く使うことに活かせそうです。

 

・中性洗剤を活用する

・洗濯機のモードや運転時間を加減する

・表示タグをチェックして手洗い推奨の場合には やさしく手洗いに臨む

 

ほんのちょっとの注意と選択で 大切なニット衣類が保護できますので、

参考に試してみてください。

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